『ありがとう♪付けていい?』
「いいよ♪てか、見て見て〜!!」
って、服の袖を捲(まく)ると
同じ物が空の手首にも付いてた
「同じの買っちゃった♪お揃い!」
『ちゃっかりしてんな〜!笑』
なんて言ったけど、素直じゃない俺は
『嬉しい』なんて絶対に言えない。
「大事にしてね!」
『当たり前…。ほんまに、ありがとう』
また、空を思い出す物が増えた。
これから、煙草を吸う度に今日の事を思い出すやろう。
これから、また知らない怪しい女に声をかけられたりしたら、今日の事を思い出すやろう。
これから、腕に付いたブレスレットを見る度に今日の事を思い出すやろう。
もうさ、俺の存在自体が
空を思い出させるんや。
だから、もし神様がおるなら
踏み出せる…
一歩、前に踏み出せる
勇気を下さい。
「ひ〜か〜る〜?ボーっとしちゃって〜どうしたん?」
『空…あ、あのさー…』
「ん?」
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