『寝てんで。』
「何処で?」
『部屋で。』
「どっちの部屋?」
遠回しに聞かんと、普通に聞いて来たらいいのに。
『俺の部屋。空の部屋〜布団ないしな。』
嘘をついても…この狭い家の中で、直ぐにバレるんなら、最初からホンマの事を言っておいた方が正しいかな?って。
だけど…そう言うと、オカンの顔色がどんどん曇って行き
大きな溜め息をついた。
「はぁーー…。アンタ達は…ほんまに何回言っても分からないみたいね…。」
『オカンこそ、何回言っても分からんのやな〜。』
返事を聞かず、風呂場へ一直線に向かい
シャワーを浴びて、再び自分の部屋に戻る…
『ふぅ…朝から、んまにやかましいオバハンや〜』
バイトに行く用意が出来て…
空の顔を覗くと、全然起きる気配がないから
仕方なく…そのままバイトへ行く事にした…
『行って来ます。またね…空』
頬にキスをして、静かに部屋を出た。
次に逢えるのは…結婚式か…
そう思ってたのに、やっぱり神様っておるのかも…
.