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目を背けたくなる現実だけが


交差する時の中で


一瞬だけ見えた光を


信じてみる事にした。




『一緒に生きたい。』




「あたしと…逃げる?」





こんな俺が、愛とか語るなんて

おこがましいかもしれんけど…

溢れる気持ちを伝えようと思いました。




おれの気持ち…


届いてる?


ちゃんと伝わってる?





今から、もう一度…



伝えに行くよ。





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カーテンの隙間から漏れる
太陽の光が
夢の世界から、現実に引き戻す



『う、うーん…』



あんま…寝た気しやん…





そっと起き上がると

下に降り、洗面所に向かう




歯ブラシを加えたままリビングに行くと

約一名を除き、みんな起きていた。




今日は日曜日


いつもは、朝早くに家を出て行く父も
パジャマのまま呑気に朝刊なんか読んでる


キッチンから顔を出した母親が

「おはよ〜光!!って…また、あんたは歯ブラシ加えたままウロウロして!!危ないやろ!!」

って、朝から元気でしょ?笑



『おはよ〜さん!!すんませんね〜』








坂本 光(サカモト ヒカル)


年は18才。来月誕生日やけど!




「光?お姉ちゃんは?」


『ん?まだ寝てた(笑)』


「起こしてらっしゃい!!全く、あの子は…休みやからってグータラして!!!」




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言われた通り
渋々、起こしに行く



向かった先は、俺の部屋




ガチャ…




『空〜!?起きろ!!!!』



坂本 空(サカモト ソラ)

21才




『そーらー!!』




しーん…




小さく丸まって眠る空は

全くもって起きる気配がない…




手を伸ばし、空の頬に触れる



『かわい……笑』





休日の朝から、ほのぼのするわ〜




『ふぅ〜〜!!起ーきーろー!!』


体を思いっきり揺する



「へっ!?はぁっ?ななな何!?」


ビックリしたのか、キョロキョロする空



『ぷぷ…(笑)おはよ!!』



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「ビックリしたー…。普通に起こしてよ…」



若干、スネ気味な空は
もろに寝起きって顔で、俺を睨む(苦笑)




『ごめんごめん!!オバハンが起きろって〜』


「チッ…。休みの日くらいいいやんけ…」



女の子が「チッ」…って

しかも言葉遣い悪いし!!




『ほら、起きて!!』


「嫌や〜!!寝る」


そう言うと、再び布団にくるまる



『こら!!起きなさい!!』




………………。




『ほんまに起きる気ないん?』


「う〜ん。ないかな〜〜』




起こさないと、オバハンに文句言われるし…

でも、無理に起こせないし…




あぁー困った…!!



『どうしたら起きてくれますか?』



何故か敬語になる、俺……




「そうやな〜じゃあさじゃあさ…







抱っこしてくれたら起きる♪」






はぁっ!!!!!!!!!!!!!




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『な…何言ってんだよ!?寝ぼけとるんか?』


「起きてる!!そして口の聞き方、気を付けなさ〜い!!」



こんな時だけ、姉面……笑






『はぁ〜…分かった分かった〜。おいで!!』



大袈裟に両手を広げると
空が飛び付いて来た



「おはよ♪」


耳元で、空の声が聞こえて来て

体中の全神経が耳に集中する





『起きたな!!ほな、下行くぞ』


「えぇ〜もう!?」






俺は…空が好き。


中学の頃から好きやった…



誰にも言えないし


人に言った事もない。





そんな訳で…長く抱き付かれてても

正直…厳しいんだよね!!あはは…


『はぁー…』



「ちょっと!!溜め息とか失礼やな〜。さぁ〜てと…下行こ〜」



切り替え早すぎやろ……笑





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2人でリビングに行くと

ほんの10数分前とは違う空気…



「おはよ〜」


あくびをしながら空が言うと…



母親が、口を開く…

さっきよりもワントーン低めの声で


「空、ここに座りなさい」



こことは、ソファー…



ブツブツ文句を言いながら、母親と向かい合わせで座る空。




俺は、テーブルの椅子に座り
聞き耳を立てる…



空「なに?朝からグチグチ言わんでなっ!」


母「また、光の部屋で寝たの?」


空「いつも通りです」


母「あんたは…何回言ったら分かるん?前から言ってるやろ!」


空「うっさいなー。しつこいっつーの!」


さて…ここは、助け舟を出すべきか…


でも…俺が口出しして余計、空が文句言われるのも嫌やし…



母「うるさいって…いい年した姉弟が一緒に寝るなんて、おかしいでしょ!?」


空「あぁ〜うるさいうるさい!!聞き飽きたって。何回同じこと言うんや(笑)」


母「だって、普通じゃないでしょ!!何で分からないの!!」



この話を聞くのも、今日が初めてじゃない…

今までも、散々言われて来たし…




『てかさー、何でいつも空だけに言うん?』



たまらず…口出ししてもうた…



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「空のが、お姉ちゃんでしょ?だからよ」

この状況で…姉ちゃんとか関係あるんか…?



空「何でもいいけどさ〜、シャワー浴びて来ていい?」



何でもいいって!!

まるで、第三者みたいな台詞(笑)



母「まだ終わってないでしょ!!」


空「いーっつも長いねん!!姉弟、仲良くて何がアカンのや?毎回毎回しつこいで?」



俺って…何で、こう言う時は
中腰なんやろ…。


いっつも、嫌な役は空に押し付けて
俺は見て見ぬフリをする…



情けなー…。




母「あんたも、毎回同じこと言わすんじゃないわよ!!」



空「ほな、何も言うなや。」

そう言うと、立ち上がり
リビングを出て行った。




母「ほんまに困った子やわ」


『オカンも、言い方悪いで』


母「あら、お姉ちゃんの味方?」



味方とか、そう言う話なん?



『うざ…ボソッ』


思わず、口から本音が出る…



母「何か言った?」


『うぅん。部屋戻るわ』




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