上を見上げれば 一面さくら色の世界。 爽やかな風が わたしの頬を かすめてゆく。 こんな晴れた日には 何か特別なことでも起こるんじゃないかって 青春の乙女心は期待してしまう。 「ゆっこー!!先行っちゃうよぉ―!」 「あ、ごめん。今行く!!」 友達のコズエが、道の反対側で大きく手を振っていた。 新しい世界への期待に胸膨らませ、 私は力強く最初の一歩を踏み出した。