「……まぁ、落ち着けよ。
オレに何の権限が
あるってわけじゃない。
これは忠告なんだからさ」

「先ほどは
取り乱してしまって
すみません」


「半分わざとだから。
……わかっただろ?
本田ちゃんは川田に
惚れてるんだよ
……女性として見てる、
って意味じゃなく。
自分を慕ってくれる生徒が
かわいくて仕方ないんだ」

ちょっと迷ってから
一つ頷いた。



「あのなぁ、
残酷かもしれないけど
こどもは移り気だぜ?
本田ちゃんが川田を
心の拠り所にしてたって、
そんなのは関係ない」


黙って下唇を噛んだ。

それしかできなかった。