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長い回想にぼんやりしながら、楡は目の前を行く生徒達を見ていた。

俯いて歩く者は少ない。


友達と笑顔で会話をしながら、すれ違った教師に挨拶をして通り過ぎていく。

彼も………


基も、こうして歩くことが出来るのだろうか。


「あぁ、違うな……」


出来るのか、じゃなくて。


出来るようにしてあげなきゃならないんだ。


取り敢えず、部員は巻き込むわけに行かないと思った。



これは我儘だ。


自分の気紛れに、生徒を巻き込む訳には行かない。