歌に一区切り付き、例のギターソロが入った。
滑るように動く左手、またその指、まるでテレビで見るようなアーティストのごとき動きに、会場は本郷に釘付けになった。
それを少なからずプレッシャーに感じながら、明衣も被せて入っていく。
「わぁ、やるじゃん♪」
麻衣と美帆子がいつの間にか二人仲良く並んで観ており、二人で感心する。
絶妙にハモリながら連符を弾き、会場からは拍手喝采。
明衣は安心したように息を吐いてから、再び伴奏に戻る。
そのまま曲を無事に終え、鳴り止まない拍手を満足気に聞きながら、High-Soundは舞台裏へ消えた。