ワァァァ、と歓声が会場に響き渡る。
城ヶ島は震えを押さえてマイクを握った。
「ご、ご指名ありがとうございます」
「バカ、どこのホストだΣ」
すぐに明衣のツッコミが入り、その場は笑いに包まれる。
「み、皆ごめんなさい。あの、私、いつも鈍臭くて、皆に迷惑かけてばかりで……」
会場は、真剣に城ヶ島に魅入っている。
「だけど……こんな私でも、何かを成し遂げたかったの。皆に、認めてもらいたかったの。
今から演奏する曲は、私が作詞・作曲したの。
私みたいな、内気な子に向けての応援歌……」
自分に向けて作ったんだけど、と城ヶ島は付け足す。
「聴いてください、
心音─ココロネ─」