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そんな感じで、時間は流れていった。

何だかんだ言って、もう本番一日前だ。

出場メンバーは、リハーサルとして20分程、体育館で練習することが許可されている。

明日の準備がされ、会場設営も終わった状態なので、体育館で活動する部は、今日は休みだ。

High-Soundのメンバーも例外ではなく、与えられた限られた時間で練習をしなければならなかった。 


「じゃあ、通してやってみようか」


本郷の言葉に、メンバーの間に少しの緊張感が漂う。


目の前には、軽音部の顧問が仁王立ちしている。

今回のコンテストのメイン審査員を努める、この行事だけで威張れるポジションに居る。


楡のドラムソロから始まり、皆は一つ一つ音を重ねていった。



20分は、あっという間だった。


楽器を片付け、体育館を後にする。