勿論他の出場チームも練習場所を確保して、毎日放課後は時間の許す限りで練習をし、中には部活を早退してまでバンドをやる者も居る。


それほど盛り上がり、皆優勝を懸けて燃えているのである。


普通教室で練習しているため、防音など優れた機能はなく、他のチームの練習が筒抜けなのは仕方の無いことだった。


上手いバンドの練習を聞いて竦んでしまうチームもあり、勝負は既に始まっていると言っても過言ではないほどだ。


「よくなってきたわよ!この調子で明日も頑張りましょ!」


本郷がニッコリ笑って練習の終了を告げる。


皆はぐったりとした表情で楽器を片付け始める。


しかし、バンドが楽しくないわけではない。


実際、合奏を終えた後の爽快感は、病み付きになりそうだった。