バンド名の欄が埋まり、練習に打ち込もうとメンバーは意気込んだ。


「さぁ、時間も無いし、練習入るわよ!」


本郷は手を叩きながら言った。

カレンダーの赤い丸印まで、もう1ヶ月も無かった。






* * * *



「うがァァァ!!指がァ!!」


明衣はそう言いながら、ベッドにダイブした。

それを見ていた姉・麻衣『まい』が苦笑する。


「何ム●カ大佐みたいに言ってんの。聞いたわよ、バンドコンテスト出るんだって?」

「そーなの。だから最近頑張って練習してるじゃん」

「アンタ初心者でしょ?時間もないのに大丈夫なわけ?」

「そーなの。だから最近頑張って練習してるじゃん」

「一般公開もあるでしょ?私見に行くわよ?」

「そーなの。だから最近頑張って練習してるじゃん」

「おま、壊れかけのラジオかァァァ!!」


どうやら、明衣のツッコミの激しさは姉譲りらしい。