きみあと言う人を探すため、すぐに車を移動すると…


耳をつんざく音と同時に、罵声が飛び交っていた。

「またかよ…」

かっつ君は呆れるように言うと、すぐに車から降りていき、喧嘩の中に入って行く。

見知らぬもう一人も、慌てて、降りていった。


爆音が響き渡る、車の中に淳子と二人取り残されてしまった。


「キミアさんって喧嘩っぱやいみたいなんだよね。だけど、かっつ君キミアさんを可愛いかってるみたいなんだ。」

「ふ〜ん」


車越から見る光景は、まるでシネマのひとこまみたいに写っている。


「ねぇ?降りてみない?」

「いいよ…だりぃもん」


「マキ、降りてるからね」

そう言うと、淳子はやじ馬をしに、喧嘩を見にいった。



ややしばらくすると…

かっつ君は、きみあって人らしい人を、後ろのドアを開け乱暴にほうり込んできた。


「落ち着けよ!」

「なんでだよ!もっと殴らせろよ。」


「キミア!引っ張られたいわけ?」


「……」

かっつ君がそう言うと、急に黙り込んでしまった。

その姿が、あまりにも似合わなくて、私は、思わず吹き出してしまった。