「かっつ君。今日は、キミアさん見れるかな?」


「う…ん。多分見れるんじゃねぇの?」

いつもの、二割増の猫撫で声で淳子は、話しかけていた。


「淳子?きみあって?」

「めちゃめちゃ、カッコイイんだ!あたし、一目惚れしちゃったんだ」


「淳子ちゃん。あいつはやめとけよ。手早いし、平気で女捨てる奴だからさ」


「あ〜ん。キミアさんならいいかも」


なんだか不思議だった。


同じ夜の世界なのに、目の前に広がりはじめる、無数の赤いテールランプ。


まるで別世界なんだ