『…ごめん』



玲子が電話越しに謝った



(なんで…なんで謝るの?)



『好江が言った通りだった…もうダメだよ私…』



玲子の声が涙に震える



(うん…解ったから。今どこにいるの?)



『今…』



ガタンゴトン…ガタンゴトン…



玲子の声は電車の音に掻き消された



(何?聞こえない、どこ?)



『うぅん…ごめん。やっぱ今日は一人でいたいから…ありがと。』



(ちょ…玲子…)



プーップーッ



電話が切られた



何か嫌な胸騒ぎがした好江はすぐさま家を飛び出した



『あの辺で…電車が通るとこ…?』




………