兵藤が動いた



腰に挿していた警棒を取り出し風哉の背後で高らかに振り上げた



絢香の右手から携帯が落ちる



それはまるでスローモーションのようにゆっくりと地面に向かって行った



裕也の叫ぶ声が遠ざかる



そして…カシャン!と機械音が倉庫にこだました



その瞬間、絢香の声が喉から飛び出した



『あぶないー!!』



絢香の声に風哉と兵藤が反応した



………