それから、数週間後。

溶けそうに暑い、夏の日の事。

私は、風に気持ちよさそうに揺れるひま
わりの横を通り過ぎ、ある目的地へと
向かっていた。

通い慣れた道を進むと、遠くにあの青い
服の少年が住んでいる小屋が、見えて
くる。

最初は、不気味に感じられたこの小屋
にも今ではすっかり慣れてしまった。

目的地が見えてくるにつれて、自然と
足が速まる。

するとその時、私の耳に一つの声が
飛び込んできた。