私が詩を読み始めると、目の前の幽霊は
目を閉じて、私の詩に聞き入っていた。

読み終わるとゆっくりと目を開け、私に
優しく微笑みかける。

「随分と、抽象的な詩だね。

 でも、愛がこもっている事がよく分か
 ったよ。

 これは質問なんだけど、゛君゛とは誰
 の事なんだい?」