題名、猫への愛


「君が私を舐めると、
 掌に温かさが残った。

 私が君に触ると、
 掌に確かな鼓動が感じられた。

 君がここにいる証。
 どくん、どくんと音を立てる。

 君がにゃあと可愛く鳴くと、
 私の中に愛おしさが満ちた。

 君が私にすり寄ってくると、
 私の中に優しさが満ちた。

 私がここにいる証。
 どくん、どくんと音を立てる。

 住む場所が違う、君と私。

 空は夕暮れ。

 やがて闇が迫り来る。

 暗闇が君を連れ去っても

 私の手にはいつまでも

 君がくれた優しさと温もりが残って
 いた」