自分と全く同じ服を着た学生が、ぞろ
ぞろと門を潜っていく中、私は遅刻魔
である親友が走って来るのを待っていた。

しばらくすると、短髪の、スカートを
はいていなければ男に間違えられそうな
親友が、慌てて走ってくるのが見える。

「ごめん、佐奈(さな)! 遅くなった」

「いいよ、もう慣れたから。喋っている
 暇があったら走って!」