段々と近くなる距離。

後ずさりしたが、逆に壁側に追い込まれ
てしまった。

「・・へぇ、やっぱりな。あんた、俺が
 見えるのかい?」



青い服を着た男は、心底楽しそうにそう
言う。

おもちゃを与えられた子供のような反応
の彼とは対照的に、私は全身の血がすっ
と引いていくのを感じていた。