その問題の小屋だったが・・中の様子は
がらんとしていて、特に変わったものは
ないようだった。

ボロボロの木の机がひとつ、壊れた椅子
が一脚、杖のような木の棒が3つ4つ、

天井の角に大きな蜘蛛の巣。壁の一方に
変色したビール会社のカレンダー
(近寄って見ると1977年だった)。

ほとんどこれだけである。

「何もないじゃん」

私はむしろほっとして、納得いかない
風の咲の背中を押し、小屋の外に出よう
とした。

そのとき、私は見たくないものを見て
しまった。