こうなっては仕方ない。今は春で、まだ
4時過ぎなので、暗くなる前にさっさと
「冒険」とやらを済ませてしまおう。

「じゃあ、早く行こ」

さっさと小屋を見て、さっさと帰ろ
・・

ユウレイだの動物と話すだのといった
ファンタジーなことは、実はあんまり
信じていない私は、咲を促し、小屋の扉
に近づいた。

小屋の入り口の木の扉には、かんぬきが
かかっている。しかしそれには錠前も
鎖もかかっていなかったので、

咲が鉄の棒を左にスライドさせただけで、
簡単に開けることができた。

ガチャガチャいうかんぬきの音が林に
響き渡る・・