「ここにはママに行けって言われて来たの」



大きな目に涙をためて。


瞳衣はそう言い放ったっけ。



俺に、静かな怒りをこめて。





――この子を救わなきゃ。


人生を誤りかけている、この子を。


まだ間に合う。

この子はこんなところに堕ちていく子じゃない。



俺は真剣にそう思った。




――ほんとに?

本当は、単にこの子を自分のものにしたいんじゃないのか?



バカな。

自嘲気味に首を振る。


俺は男がいる女には興味がないんだ。