店員の開けたドアを入ると、大きな茶色い怯えた瞳が俺を出迎えた。


(ずいぶん若いな)


大人になりかけた顔立ちを、少しふっくらした白い頬が裏切って、まだあどけなさが残ってる。

少し生意気そうな小さくとがった顎は、若々しいエネルギーを感じるとともに、この子の心の不安定さを表してるように思えた。



(……思ったより……)



ずいぶんかわいい子だな。



(どうしてこんな場所で、こんな子が?)


派手な美人じゃないけど、けばけばしさとは無縁の、ひっそりと咲く白い花のような風情。


こんな場所にはまるで場違いだ。



俺をまっすぐ見つめる瞳は澄んでいて、全然すれてない。