「ん~見てたら分かるよ

でも母さんは薫ちゃんを

気に入ってるみたいだよ」


そう薫ちゃんに言うとアタシは

目の前の唐揚げを1つ食べた

『渚!ダメだろ』


「はい」


母さんと姉ちゃんは

アタシが薫ちゃんから

怒られてるのを見て笑ってた



その時 玄関のドアが開いて

父さんがリビングに来た


「恭一郎さん遅すぎるわよ!」


「ごめん遅くなって」


うちの家では何故か

母さんだけは父さんを

【恭一郎さん】という

理由は聞いたことが無い


父さんが薫ちゃんの

目の前に来ると

薫ちゃんは立ち上がって


『お忙しい時に来てしまって

すみません

渚さんとお付き合いしてる

真山 薫と言います』


って父さんに深々と頭を下げた


「なんだ 渚より年上か!

俺 てっきり

若くてチャラチャラしたの

連れてくると思ってた

ま~薫くん 座ってよ」


『あ・・はい』


父さんは別に

怒ってるような感じは無く

アタシから見たら

安心した顔のように思えた