雨が強くなって振り出してきた
「んじゃ うち来る?
すごく散らかってるけど」
イケメン浮浪者は
『うん』と言うと
まるで
飼い主が見つかったように
喜んでアタシの後を付いてきた
2階までの階段を上がる途中に
イケメン浮浪者は力尽きたのか
階段に座りこんだ
アパートの住人に見られると
厄介なことになりそうなので
アタシは肩を貸して運んだ
部屋の電気をつけた瞬間
『うわ~
すげ~散らかりようだな』
笑いながら
イケメン浮浪者は言った
キッチンの小さな
テーブルの椅子に座らせて
「だって~
学校とかバイトで忙しくて
片付ける暇なんてなぃし!」
アタシはコンビニでもらった
弁当をレンジで温めながら
「お腹空いてるんだよね?」
その言葉に頷いて
『3日くらい食ってないな』
思わず驚いて声を出した
「3日も?!」
仕方なくアタシは
大好物の
【チキン南蛮弁当】を手渡した
(うっ...
アタシのチキン南蛮が...
滅多に残らないのにな~)
そう思いながら
ヤカンに火をかけ
レンジ下から
カップ麺を取り出す
『弁当は 君が食べていいよ
俺はカップ麺で!』
「ん~チキン南蛮好きだけど
3日も食べてないならあげる」
そう言うと
イケメン浮浪者は
ニコニコしながら
弁当を開け始めた