アタシの顔を見て

薫ちゃんが言った

『俺の親は休みの日

いつも仲良く一緒でケンカとか

滅多にしたことなくてさ

俺は良く思ってたよ

俺もいつか

こんな夫婦になりたいってね

親が死んだ時は何を考えてても

辛くて寂しくてね

でも今は俺の姿を天国から

２人楽しそうに

見守ってるんだろうってね

だから渚も悲しい顔するなよ』


アタシは涙ぐみながら

「うん」としか言えなかった


「でも薫ちゃんの親ってさ

私から見ても夫婦って言うより

恋人って感じでさ

中学の時の体育祭の時に

保護者で二人三脚する種目あって

両親揃って出場して

イチャイチャしながら

走ってたよね

多分　天国でもきっと

イチャイチャしてるんだろね

薫ちゃんと渚ちゃんに

子供が出来たら

あんな感じになりそうだね」


『ホント学校の行事とかさ

手繋いで来るもんだから

逆に俺のほうが

冷やかされたりしてたよな』


そう言って話す桜子さんと

薫ちゃんを見て

アタシは思わず笑った

「そんなに仲良かったんだ～」


「確か写真あったから

今度持って来てあげるね」


「うん！絶対だよ」