電車が来る間に薫ちゃんと

駅のホームのベンチに座ってた

アタシが泣いてるのを見て

薫ちゃんは そっと肩を抱き

『2人でまた来ような

俺は正直に言って

良かったと思ってる

嘘って言うのは いつか

相手に分かって

しまうかもしれない

後ろめたいままになるのは

俺もそうだけど

でも渚のほうが

嫌だろうと思ったんだ

渚は良い家族に恵まれたな』



「うん!薫ちゃん今日は正直に

親に話してくれてありがと

薫ちゃんが

本当のことを話し出した時

「もうダメだ」って思った」


『俺 もし渚が連れ帰されたら

引越しして

近くに部屋借りようって

覚悟までしてたよ』


「そこまで考えたんだね」


『だってこのまま離れると

ずっと渚が寂しくて

泣いてそうで...渚には

いつも笑ってて欲しいから』



「渚ちゃんには感謝してるよ」


アタシが薫ちゃんの顔を見て

そう言うと

薫ちゃんは照れながら

アタシの手を握って

やっと到着した電車に乗った