机を見る。


車や、ヘアカットモデルのような落書きの間に
「大輔頑張れ!青春だ!頑張れ!」
とカッターで刻んである。
そういえば兄さんは高3。
受験勉強でもしているのだろうか。


ほぼ無音と化した部屋の中、唯一記憶に
残る兄さんの台詞。

「てめえら!俺みたいになりてーのか!
 俺みたいになるなよ!」

後で聞いた話だと、兄さんはその翌月
高校をドロップアウトしたらしい。
いじめが原因で。




その日の夜ご飯は憂鬱だった。
女の子なら赤飯でも出てくるのだろうが、
出てきたのは、いつもと変わらぬ白いおまんま。
妙なリアルさにシュンとしていた俺。