12時半をまわり、ほかの二年生部員が「やっぱ部室あるといいよな」と言って幸吉、信雄亮太に挨拶しながら入って来た。




「ちょっと一年生の様子見てくるわ」亮太は幸吉と信雄に言って、部室を出て行った。




亮太は、一年生たちがグランドにトンボをかけているのを眺めながら、一年前の事を思い出し、野球が好きで好きでしかたがなかったあの心を取り戻したかった。




一年生の二学期辺りからブタ先の暴力はひどくなった。