慶汰は一回深呼吸をして話しはじめた。
「麗奈さ…莉菜って知ってる??」
知ってる??って…
それって慶汰の、
「知ってるよ。慶汰の彼女でしょ…??」
「正確に言うとさっきまでの彼女ね。でも俺は彼女なんかと思ってない。」
えっ…??
だって結構長い間付き合ってたじゃん。
「なんで??」
「俺、あいつにずっと告られててさ。ずっと断ってたんだ。でも麗那と別れる前の日に付き合ってくれなきゃ彼女痛い目にあうよ??って脅されて…。それで麗那と別れてあいつと付き合うことになった。」
そう言う慶汰の顔はとても悲しそうだった。
「そうなんだ…。」
「それで卒業式に別れたら麗那にいやがらせ出来ないだろうし大丈夫だろうと思って、今日別れてきた。あっ!もちろん麗那のことは言ってないから。」
「うん。慶汰…ありがと…。」
やっぱり慶汰は優しいね。
あたしを守ってくれるために…。
ありがとう。