がんばれ、あたし…

そう思いながらあたしは大きく深呼吸をした。

ちゃんと、いうんだ。

「慶…汰」

あたしがそう呼ぶと慶汰はこっちを向き
一緒にいた女の子に何かを言ってからあたしのほうに走ってきた。

そして久しぶりに聞く愛しい人の声。

「麗那!久しぶりだな。」

「うん。久しぶり…」

「で、何か用?」

言わなきゃいけないのはわかってる。

でも…
「あっ...あのこ彼女?」

慶汰はそのこのほうへ向き、あたしに答えてくれた。

「彼女だよ。」

“ カ ノ ジ ョ ダ ヨ ”

その言葉があたしは聞いたことを後悔した。

聞かなければ、聞かなければ言えたかもしれない。

人生ってなんなんだろ?