扉を開けた人物はA組の加藤淕<カトウ リク>だった。

加藤くんとはあまり話したことがない。

加藤くんは結構モテるタイプだ。

「あれー?麗那ちゃん?」

なんであたしの名前知ってるの?

「そうだけど‥」

「あははっ そんなびくびくしないでって 笑」

あたしは知らないうちにびくびくしていた。

「ねえっ! さぼり?」

「まあ、そんなとこっ」

泣いてたなんて言えるわけない。

「あれ?」

しゃべりながら彼の顔があたしの顔に近づいてきた。