「…はぁ」

俺は、勢いよく起き上がって準備をしに行った。

「鷹沫さん…すみません、遅れました」

「いえ。まだ早いですよ」

…俺は、本当に美咲の執事になったのか。
いつもなら美姫の支度をして、タバコ吸ってるのにな。

「隆幸君、美咲様を起こしてきて下さい」

「はい」

美咲の部屋は、寮ではなかった。
いや、寮なのに一人しかいないみたいだ。

俺は、ノックをして言った。

「美咲さ…」

「隆幸さん?起きてるわ。入ってらして」

俺は、部屋の中へと入った。
すると、いきなり抱きしめられた。

は?

「嬉しいわ。ねぇ、隆幸さん」

「ええ。美咲様、自分は一介の使用人です。さんなどとは…」

「分かったわ。では隆幸、服の着替えを」

…なんで、さんをいらないって言ったのか…

多分、美姫と重ねてるな。