「美姫、良かったな」
俺は、美姫を冷たい目で見た。
良かったな。俺より大切な奴見つかって。

知ってたしな。お前の部屋掃除した時、写真があったしな。
この友紀って奴と美姫が笑ってた写真をな。

「待ってよ、隆幸…」
「なぁ、友紀さんよ。美姫のこと頼むわ」

「…ああ」

厄介者の俺は、さっさと帰るか。

やっと解放された。
「隆幸さん、私の執事になりませんか?」

「…あなたには、もう執事が…」

「第二の執事として」

…第二の執事。
まぁ、いいか。どうせ暇だし。
それに…

「仰せのままに。美咲お嬢様」


「隆幸!私の執事でしょ?」

美姫が泣きそうな顔で見てきた。

「美姫様。私はもう美姫様の執事ではありません。今は…美咲様の執事でございます」


俺のお嬢様は、美咲だけ。