「友紀…」

「美姫様…」

友紀と呼ばれた男は、嬉しそうに顔を輝かせた。

…なんか腹立つ。

「…美姫様、どうかもう一度…私を美姫様の執事に」

美姫の執事?
おい、ふざけんなよ。美姫は、俺のお嬢様だぞ。

勝手なこと言ってんじゃねぇよ。

「え…」

悩んでいるのか美姫の顔は、だんだんと険しくなった。

「美姫さん、友紀さんは…あなたに逢いたがっていたのよ。もう一度執事になる為に…ここで執事にしなきゃ、二度と逢えないわ」


…俺は、捨てられるのか…?

「…」

「美姫様の執事は、私が…」

美姫は、困った顔をした。
けど、嬉しい顔もしてる。

「あー、そうかよ」

俺は、もう半分キレかけていた。
俺は、お払い箱ってことかよ。

「隆幸…待って…」