憂鬱…
美姫の化粧をやってから俺は、タバコを吸った。

タバコの臭い消さなきゃな。

「…ねぇ」

「あ?」

振り返って美姫を見た。
鏡の前に座って、自分の顔を見ていた。
「離れるんじゃないわよ。迷子になった執事なんて恥ずかしいんだから」

ああ!?誰が迷子になるかっつーの!

たくっ!

俺は、タバコを揉み消して窓を閉めた。そして、俺も美姫の隣で、きちっとしてみた。

「美姫。行くぞ」

「分かってるわよ」

美姫の手を握って、ダンスパーティーの会場に向かった。

「いい?これからは敬語よ。分かった?」

「はい。美姫お嬢様」
ニコッと笑ってみせた。
俺なら出来る。
敬語くらい…

「ベタなセリフは言わないでよ」

「ええ」