まつげはバサバサだし長いし…


やっぱ女みたいだ。



「あの…そんなにじっと見つめないでくれる?緊張する…」


「えっ!?あぁごめん。話続けて。」


「えっと、あ、『エル』っていうのは『エリントン』の略称。で、父さんの名前なんだ。」


「それで、ジュニアなんだ。」



まあね。と海乃は苦笑いした。


どうして苦笑いなのかはなんとなくわかった。


海乃の両親はたぶん亡くなっている。



「ジュニア、悪いが私は大学病院に戻らなくてはならなくなった。マキのこと、頼めるか?」


「え…まぁ、うん。」


「明日の朝に包帯を変えてやってくれ。お前なら間違いは起きないだろうが…」


「ち、ちょっと!エリック!?」


「冗談だ。じゃあ、頼んだ。」



待て。


これって…


混乱している私を置いてエリック医師は無慈悲にも出ていった。



朝まで2人きり…!?