来てくれた。
「…ショウ!」
「…!」
思わず抱き着いた。
とたん、パン!と何かがはじけたような感じがして、
思い出した事を思い出せなくなった。
あれ…?
私、何を思い出したんだろう。
「あ、あの…芹沢?」
「あっご、ごめん。」
うわ、抱き着いたままだった…
「思い出した?」
「わからなく、なった。何か、思い出したはずなのに。」
海乃は残念そうな顔をしたが、そっか…と笑った。ゆっくりでいいよ。と。
「あ、そうだ!これこれ。夕食なんだけど、食べられそう?」
「生ゴミのついたご飯までなら何とか食べられるけど?」
「うぅ、そういう意味じゃないんだけど…」
「えーと、大丈夫。自分で食べられるから。」