「タツル君、わたしたち人間だよね。おさるさんじゃないよね」

「多分」

タツル君のせいで何度も意識が飛んだわたしは、肩で息をしながら不安になった。
彼は口元でずっとにやにやしながら、わたしを見ている。

「な、なあに」

「夢、じゃない」

「え?」

「現実だって確認したいから、猿化するのかも知れない」

何かを言う前に、彼はわたしを押し倒した。
もう壊れちゃうよ、と半べそで言うと、壊れちまえ。と彼は妖艶に笑った。