「ごめんねトルファ。」



「うん、仕方ねーよ。ヒマリー、いこうぜっ!」




少し浮かない顔で離れて行ったトルファは、また違う人に声をかける。





「ロイ様、いきましょう。」


気分を変えてソラは、ロイに向き直り、少し控えめにはにかむ。



ロイは頬を染めたが、ソラにわからないように顔を背ける。





「そういえば、この前の黒いワンピース、何処へ?あれが良いんじゃないか?」




「ああ、あれは……」





他愛のない会話をして、部屋へと向かう。


顔の布も外して、王と自分以外通らない廊下を歩む。



彼は勉学だけではなく、剣や魔術の腕もたつ


ソラにとっては常に自分の先を歩く人だった。





「じゃあ、服を探しておいで。」



心なしかいつもより優しい彼に背を向け、王の寝室の扉を閉めた時だった。