城に入るまでは気を抜かなかったが、最後まで敵兵や暗殺者が現れることはなかった。



前のロスト将軍の軍隊が解散し、私達も解散することになった。





兵士や傭兵達は、各々町へと散っていくが、近衛隊は綺麗に着替えなければ外出は許可されない。





「部屋へ帰るか。ソラ、おいで。外出用の服がまだ前の部屋のクローゼットにある。」





王が馬から下りて、ソラの頭に手をおく。




「ソラ、一緒に出掛けようぜっ!」



「今日は俺と回る。」






トルファが話しかけるが、王からロイへ変わった彼が阻む。



毎年お忍びに付き合うのはソラで、その時間がソラは好きだった。





それに何より……





ソラは彼と一緒にいる時間が何より心地よかった。