「おい、まだかっ」
「ちょっと!馬車のお掃除がさきでしょ!」
「門に隣国の大臣が……」
パレードを目前にして、沢山の声が朝から飛び交う。
「騒がしいね。」
「しょうがないよ。一年に一度の行事だし」
鎧をつけおわり、双剣もさして待機をしていると、他にはきづかれないようにトルファが声をかけてくる。
近衛隊として働く時は人前で必要以上に話してはいけないため、二人にしか聞こえないような小声で話しをする。
「もうそろそろ時間だ。」
そんな中に、王はそういって騎乗した。
王の馬は美しい毛並みをした漆黒の馬だ。
すぐに初めの合図が入る。
高らかなトランペットの音が鳴ると、王を中心とした軍は進みはじめた。
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