「ソラ、ソラはいるか?」




私を呼ぶ声。



朗らかで、暖かくて、優しい優しいロイ・シュバイツの声




「ここにいます。愛しき我が君」



私は四歳の時に、両親に捨てられた


働けないタダ飯ぐらいで、しかも女の私はいらない存在だったのだ




貧乏だったのだ。致し方ない。



普通は恨むものだが、私は両親に感謝している。


何故って、このお方がいるから





「ソラ、確か明後日誕生日だよな?」




「ええ、覚えて下さっていたのですか?」




巷では頭脳明細、容姿端麗

しかし、冷酷無慈悲な王と名高いロイは、本当は誰よりも民を思い、命を尊ぶ優男だと私は知っている。