(…そういえば…)
 
突如湧き上がった疑問…
目を開けた。
 
(さっきの声…)
 
直接脳に響いた感触がある。その声の主…
 
(あれは…)
 
そうだ。あれは、あの声は…
 
「…親父…」
 
そうだった。聞き間違えるはずがない…
あれは3年前に死んだはずの親父だった。
 
(親父、本当に親父なのか…?)
 
それでも、死んだはずなのである。
そんな親父の声が聞こえるなんて考えられない…
 
「親父…?」
 
俺は問い掛けるようにつぶやく。
信じられない。
どうして、親父の声が聞こえたのだろうか…
本当に信じられなかった。
 
「どうして、親父の声が…?」
 
ただただ立ち尽くす。