「ぐ、うぅ…」
 
俺は声を発した。
だが、それは異音でしかない。
俺は今、酸素マスクを付けられていた。
そのため、マスクから漏れる声ではとおらない。
 
「おやおや、どうしました…?意味がわかりませんねぇ」
 
スーツの鎌男はそういうと、指を一本天井に掲げた。
その指を孤を描くように振った。
すると驚く間もなく、俺が付けていた酸素マスクが弾かれるように飛んでいく。
 
(な…?)
 
それと同時に点滴のための注射針が抜かれている。
 
(なんなんだ…?こいつは…)
 
俺は当然頭に浮かぶ、疑問で一杯になった。
 
「これで話しやすくなってるはずですが…」
 
そういって、今度は不気味にほくそ笑んだ。