僕は気がついた。
（こいつを殺したい!!）
次の瞬間、強制転移させられた。
（いつか殺しにきてやる!!）
と決意した瞬間であった。


ノードンが送ったのは王であるクリア家がもっとも畏れている。六人の魔王の一人『剣神』カムイがいるとされる魔の森であった。


僕は回りを見る。
すべての物が初めてだった。
柔らかく軽く湿った土
生い茂る緑
夜空に映える星たち

いきなりアルスの前に一人の男が来た。
「おや??誰かが私のテリトリーに転移してきたと思って来て見たら………」
僕はそいつの姿を観察していた。スラッとした身長、腰につけた刀、どこか東洋の物のような一枚の着物、見た目は人間のようだった。
男が
「どなたですか??」
丁寧に聞く。
アルス
「アルス。あなたは??」

「ファミリーネームは言わないですね。アルス君。私はカムイです。一応魔族の端くれです。」
一度も牢屋から出たことがないアルスにはカムイと聞いてもよく分かっていなかった。アルスが
「カムイさん。僕はさっき捨てられたんです。」
カムイ
「人間にしては泣かないですね。」

「泣く??何それ??」カムイが優しく笑って
「そんですか。なら私のファミリーネームを上げましょう。これからあなたはアルス・クロムです。つまり、あなたは私の家族です。」

「アルス・クロムか。……ありがとーございます。」
と言って気を失った。
もともとかなりの栄養不足がだったらしい。