それから七年間アルスはずっと牢屋に閉じこめられていた。
牢屋は夏は酷い湿度で脱水症状をおこしかけ、冬はひどく冷たい回りの石がアルスの体から熱を奪う。さらに、食事も残飯のような物が1日一回あるかないかだった。
そんなアルスを助けてくれるのは、実の母親とメイドのルイだった。
母親は王にバレないようにたまに会いに来ては、声をかけてくれる。
ルイもいつも牢屋のそばまで来て話しをしてくれた。食べ物もよく持ってきてくれた。
それから二年後、アルスは9才になった。
アルスの牢屋の前に一人の男が立っていた。それは、ノードンである。
僕がその男に目を向け
「誰??」
ノードンが忌々しい目で
「忌々しい紅い瞳だ。我は貴様の父ノードンだ。」
僕は父と聞いた瞬間何か感情が湧き上がってきた。
(こいつが父親??僕をここに閉じ込めたヤツ、今までずっと………)
ノードンが吐き捨てるように
「貴様の存在は邪魔なのだ。クリア家にな!!」

(邪魔??僕が一体何をした??……ただ姿が違うだけで邪魔??……)

「……貴様を殺すのは簡単だが、それでは王として立場が成り立たぬ。今から貴様を見知らぬ土地に転移させ、貴様が脱走したことにしてやる。その後は魔物にでも食われて死ね!!」

(殺す??………死ね??……。)

「さらばだ!!」
と言ってアルスを魔族がいっぱいでると言った森に転移させた。

転移される直前、一瞬ノードンに強い殺気が当たった気がした。