きょう、叫んでいた理由はいつものちょっとしたことである。
私は根に持ちやすいけどその分単純で取りあえず体育館裏まで言って叫んだらスッキリしてまた、しろともいつも通りにしゃべったりするのだ。
今日は給食中にしろが私の牛乳を勝手に取ったことだった。こんなことは日常茶飯事なのでクラスメイトも「また、いつものが始まったか」と思うだけである意味のクラスの名物になりつつあった。だからきっと今日も「いつものだ」と思ってその2年B組の名物を楽しんでいたはずだ。
そして、毎回の最後のように私が教室を飛び出して5分ほどたつと何にもなかったかのようにシレっとした顔で帰ってくると思っていたに違いない。私だってそう思っていた。たかが牛乳一本であんなことが起こるなんて思ってもいなかったのだから・・・。
でも、おかしいとは思っていた。
いつもの台詞(「あんなヤツいなくなればいいのに」「しろのバカヤロー」「あんなヤツだいっ嫌い!」)を一回ずつ叫んでも気分が晴れない。
いつもならそのお決まりの台詞を言うと、でもまぁいっかという気分になるのに今日はそれがない。おかしいなぁ・・・。この時点で私の運命は変わることになるんだってことなんかわかるわけがない。
もう一度。そう思って叫んだ渾身のヒトコト。そのコトバが私の気持を大きく変えることになるということを私はこのときまだ、知らなかったのだ。
知ってたら言わなかったかというとそれはそれでわからないけど。
「あんなヤツいなくなればいいのに!!」