『ひとみ、しょうらい、おれとケッコンしてください!』

『えっ、ヤダ。ひとみは、ハクバのおーじさまがいい。』

『はっはくばにのったおーじなんていないぞっ!』

『いるもんっ!えほんでよんだもん!』

『・・・・・じゃぁ、おれがそのはくばのおーじになってやるっ!!』

『むりだとおもう。あきら、かっこよくないもん。』

『ぐっ…むりじゃねぇもん!これからずっとおれがひとみをまもる!』

『ふーん。じゃあゆびきり。』

『えっ?』

『やくそくするの。ほら。』

女の子は男の子のほうに小指をつきだす。
男の子はとまどいながらもその小指に自分の小指を絡ませる。

『ゆっゆびきりげぇんまん、うそついたらはりせんぼんのぉます、ゆびきった!』

女の子がにっこりと笑い、それにつれて男の子も笑い出す。


『やくそく・・・やくそくだよ章・・・』


オレが、はじめてした約束。
まだがきんちょだったけど、あいつを好きだって気持ちは、今でもだれにも負けない。
あいつのためなら、オレはどうなったっていい。・・・そう思ってた。

あいつは覚えているだろうか。この約束を。

オレが、たぶん、最初で最後に守らなかった、約束を・・・